2021/06/23
EDMの構成については「EDMとは?」で詳しく解説していますが、今回はEDMで使われる音楽手法についてです。
EDMはIntro(イントロ)やHook(フック)、Buildup(ビルドアップ)等、様々なパートで構成されていますが、その各パートの中で様々なテクニックが使われています。
ざっと紹介すると以下のような専門用語になります。
- Kick(キック)
- Side Chain(サイドチェイン)
- Snare Roll(スネアロール)
- Riser(ライザー)
- Pitch Shift(ピッチシフト)
- Wobble Bass(ワブルベース)
EDMを作曲するのであれば最低限いくつかの音楽手法をマスターしておかなければなりませんが、普通に聴いて楽しむ分には「ふ~ん」ぐらいに覚えておいてもらえれば良いでしょう。
そうすれば、EDMを聴いているうちに「この事か!」となり、聴いていて楽しくなるはずです。
それでは順番にご説明!
Contents
Kick(キック)
これはEDMの基本、EDMと言えば4つ打ちのキックですね。
キック=バスドラムでもあり、このキックがある事により、フェスやクラブでもみんなノリノリで踊れます。
「単純に4つ鳴らしているだけじゃん」と思いきや、EDMでは掘り下げていくと各DJでかなり凝っています。
重いキックから軽いキック、硬いキックもあれば柔らかいキックもあります。
DJ達は曲調やジャンルによって使い分けているので、注意して聴いてみるとそれぞれ個性があり面白いです。
Side Chain(サイドチェイン)
サイドチェインとはキックが鳴っている瞬間は他の音量(特にベース)を下げる手法です。
そうする事でキックによる4つ打ちのビートが際立ち、一定のリズムによるグルーヴを感じやすくなる効果があります。
皆さん昔のCDと聞き比べて最近の音楽は音量が大きく聴こえませんか?
そもそもCDで聴いていない世代の方もいるかもしれませんが・・・
昔々音楽業界は「いかに音量を大きく聴かせる事ができるか」という、音圧競争が盛んでした。
その流れからサイドチェインの手法が生まれ、EDMに流行に合わせて今では一つの音楽手法として確固たる地位を築いています。
サイドチェインの種類にも色々あります。
ベースを聴かせるシンプルなものからキックを全面に押し出す手法、バランス型や変則的なサイドチェイン等々。
サイドチェインが印象的なEDMでは種類別に曲を紹介していますので、一度聴いてみてください。
Buildup(ビルドアップ)で使われる音楽手法
Buildup(ビルドアップ)は、サビであるDROP(ドロップ)に向けて大いに盛り上げるパートです。
曲を盛り上げる方法として、これから紹介するSnare Roll(スネアロール)、Riser(ライザー)、Pitch Shift(ピッチシフト)が使われる事が多いです。
「Best of Buildup on EDM」でこれらの手法を盛り込んだビルドアップが最高にカッコイイ曲を集めましたので、聴いて感触を掴んでみてください。
Snare Roll(スネアロール)
スネアロールとは、スネア音の間隔を徐々に短くしていく手法です。
スネアの音色だけではなく、クラップが使われたりもします。
後述するPitch Shift(ピッチシフト)と組み合わせ、スネアピッチも同時に上げていく方法が多用されます。
Riser(ライザー)
ライザーは特にEDM向けの手法と言えるでしょう。
機械的なシンセサウンドをピッチシフトと組み合わせて上下させる事をライザーサウンドと呼びます。
これもいくつか聴いてみるとわかりやすいですね。
Pitch Shift(ピッチシフト)
主にスネアロールやシンセサウンドと組み合わせて使われる手法。
音のピッチを上下させる事により、盛り上がりを演出します。
一見音階の無い音色でも機械的にピッチは操作できるのでなんでもありです。
ビルドアップの参考曲
ビルドアップはフックやドロップに並ぶEDMの核となるパートです。
このパートを上手く作れるかどうかで楽曲への没入感が全く変わってきます。
聴いてもらった方が早いですので実例を。
MAGIC! – Rude (Zedd Remix)
- 3:02~ 徐々にフェードインしながら刻むスネアロール
- 3:16~ クラップを重ねてビートを刻む
- 3:31~ ライザーサウンド
- 3:39~ スネアロールの間隔を狭めながらクライマックス(ピッチ上げ)
スネアロールの使い方で参考になるのは天才 Zedd。
Zeddはビルドアップの組み立てが完璧過ぎて参考になります。
Afrojack vs. THIRTY SECONDS TO MARS – Do Or Die (Remix)
- 1:00~ スネアとライザーサウンドが徐々にフェードイン
- 1:07~ スネアにキックを重ねて厚みを出す
- 1:11~ スネアとライザーの間隔を狭めながらクライマックス(ピッチ上げ)
シンプルなお手本はアフロジャックです。
あと0:45~のキックの音と1:15~のキックの音、明らかに音圧が違います。
楽曲のカラーを変える為にこう言った手法も使われ、EDMにおいてキックの重要さが垣間見えます。
Wobble Bass(ワブルベース)
ワブルベースとは、ベース音をエフェクトによりピッチや音量、周波数を自由自在に加工した音色を言います。
主に Dubstep(ダブステップ)と言うジャンルで多用されます。
Dubstepの中高音を強調してより攻撃的なサウンドになると、Brostep(ブロステップ)と言われます。
細かい事は抜きにして、どちらもワブルベースと言う手法が核となって音楽を聴かせている部分では共通です。
ワブルベースの参考曲
これについては一時代を築いた Skrillex や Zomboy が有名ですね。
ベースを切り裂くようなサウンドにハマってしまう人も多いのではないでしょうか。
Skrillex – Scary Monsters And Nice Sprites (Official Audio)
Zomboy – Like A Bitch
いかがでしたでしょうか?
簡単にではありますが、EDMで使われる音楽手法の説明でした。
各パートやフレーズを聴きながら手法を確認できると面白いかもしれませんね。
それでは素敵なEDMライフを!